錦帯橋のう飼

錦帯橋 う飼

夏の風物詩

鵜飼は鵜を使って鮎を獲る漁法です。
鮎漁が解禁となる夏の夜、清流・錦川に架かる名勝・錦帯橋のたもとで行われます。
川の流れとともに篝火(かがりび)を焚いた何艘もの小舟が錦帯橋に近付きます。
舟には鵜を操る鵜匠(うしょう)と船頭。
舟が近付くと、篝火に照らされた川面に鵜が泳ぎ、鮎を追う姿が見えてきます。
それは、岩国藩主・吉川公も愛でた錦帯橋の夏の風物詩です。

錦帯橋とう飼

錦帯橋での鵜飼は約400年前、寛永年間(江戸時代初期)の記録に登場します。
ときの岩国藩主は吉川広嘉です。当時、度重なる洪水によって、
錦川に架けた橋は流失を繰り返していました。「流れない橋」は永らく、岩国藩の悲願でした。
広嘉はその研究を推し進め、ついぞ錦帯橋を創建しました。
完成した錦帯橋を背景に繰り広げられる鵜飼。
吉川広嘉にとってそれは格別な光景だったことでしょう。

現代のう飼観賞

現代の錦帯橋のう飼は、昔ながらの漁法といでたちをできるだけ再現したものです。
夏の限られた期間、屋形舟に乗って観賞していただけます。
涼やかな川面に浮かぶ舟に乗り、水面近くの目線から、
鵜飼をほんの数メートルの近さで見物します。
その醍醐味と勇壮な姿、そして、ライトアップされた錦帯橋。
まさしくそれは殿様も愛でた時代絵巻です。